EM1 e:

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コンパクトなボディに充実した基本性能

Hondaの電動スクーター「EM1 e:」は、街乗りや短距離移動に適したスマートなモデルです。全長1,795mm・全幅680mmというコンパクトな車体により、狭い道や混雑したエリアでも扱いやすい設計になっています。シート高は740mmと低めで、足つきの良さも考慮されており、初めてバイクに乗る人にもなじみやすい設計です。

エンジンの代わりに搭載されているのは、交流同期電動機。最高出力1.7kW、最大トルク90N・mというスペックを持ち、ストップ&ゴーの多い街中でも滑らかな加速が可能です。スロットル操作に対する反応も自然で、従来のスクーターに近い乗り味を保ちながら、電動らしい静かな走行音も特徴となっています。

サスペンションやブレーキについても、前輪は油圧式ディスク、後輪はリーディング・トレーリング方式と、日常使いでの快適性と安全性に配慮された構成です。タイヤサイズは前後で異なり、前輪12インチ、後輪10インチの設定となっています。軽快なハンドリングと取り回しの良さも、このサイズ設計ならではの利点といえるでしょう。

一充電でおよそ53kmの移動が可能

EM1 e:の一充電あたりの走行距離は、定地(30km/h)で約53kmと公表されています。これはあくまで一定条件下での試験値であり、実際には気温や走行状況、乗員の体重、路面状態などによって前後しますが、都市部での移動を想定した距離感としては十分な範囲に収まります。

また、加減速が多い環境下でもトルクの立ち上がりがスムーズなため、バッテリーを無駄に消費することなく、効率的な走行が可能です。移動の目的地が明確で、往復距離が把握できていれば、日常的な移動手段として不便を感じる場面は少ないでしょう。

通勤や買い物といった用途にも対応できる航続距離は、原付二種としての使い勝手をしっかり支えています。外出前に電池残量を確認するだけで、予定の行動範囲を安心してカバーできます。

家庭用コンセントからの充電に対応

EM1 e:では、Hondaの着脱式バッテリー「Mobile Power Pack e:」が採用されています。このバッテリーは自宅でも取り外して充電できるよう設計されており、専用の充電器(Honda Power Pack Charger e:)を使用することで、約6時間でフル充電が可能です。

フル充電での移動距離が50km程度であることを踏まえると、夜間にバッテリーを充電しておけば、翌日は問題なく使用できます。日中にバッテリーを持ち運んで職場などで充電する、といった使い方も可能で、利用シーンに応じた柔軟な運用がしやすくなっています。

外出先での充電インフラがまだ発展途上であることを考えると、このように自宅で完結できる仕組みは、電動バイクを初めて使う人にも安心感を与えてくれます。災害時などの非常用電源として活用できる可能性もあり、バッテリーの取り扱い自由度は大きな魅力です。